「泳ぐ宝石」とうたわれ、海外の富裕層にも人気のニシキゴイが中国へ輸出できなくなっている。中国当局の許可が10月末で失効し、更新されない状態が続いているからだ。生産者には戸惑いが広がっている。
稚魚から成魚まで、毎年約1万匹のニシキゴイを輸出してきた広島県呉市の「面迫養鯉場(おもさこようりじょう)」。中国向けが約3割だったといい、社長の面迫隆義さん(46)は「嫌な予感があたってしまった」とこぼす。
面迫養鯉場は、中国政府に認められた国内15の養鯉場の一つ。2019年に認可され、直接輸出することができた。
ただ、許可は3年間の期限付きだったため、22年3月の失効が近づくと、農林水産省を通じて更新を申請。しかし、中国側からは音沙汰がなく、そのまま失効した。
新潟県長岡市にある日本唯一の検疫所を経由した輸出に切り替えたが、長岡の認定も今年10月末に失効。中国への輸出の道が断たれた。
「嫌がらせ」の指摘も
中国政府はなぜニシキゴイの輸出を受け入れなくなったのか。
8月24日、東京電力福島第…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル